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「我が兄の息子ホルスよ、われの術をくらえ!」
魔神セトの声が母なる大地に反響した。
「ゴォォオオオオオッッ!」と邪悪な気に満ちた力が周囲にまき散らされている。空は雷雲が轟き、空は雨雲がかかり怪しげな雰囲気をかもしだしていた。
オシリスの蘇生(そせい)・復活(ふっかつ)
「ああ、我が兄であり、夫オシリスよ、何故死んでしまわれたか……」
そう言いながらオシリスの妻であり、妹であるその一人の少女は涙を流しながら言った。
彼女はナイル川のほとりひたち、死者蘇生の魔術を行う為の呪式を組んでいた。円形の形をしたその魔法陣は次々と光をだしていた。
そして、オシリスの弟セトによってバラバラに切断された遺体はイシスがその遺体を布でくるみミイラにすることで再び元通りとなり、肉も骨もすべて元通りとなってオシリスは復活した。そして、この時よりオシリスは冥界を統べる王となり、人から神へと昇格したのであった。
ホルスvsセト
「ゴォオォォオオオ」
炎がまわりへと降り注ぐ。
その時、ホルスは両翼をあげて
「我は全能なる太陽の申し子であり、勝利を司る神ホルスなり!」
大きく叫び言霊を詠唱した。
そして、ハヤブサのすがたをした動物が現れた。そのハヤブサはホルスの化身であり、ホルスの魔力と神力を宿して、身のまわりにかなりの高度の炎をみに纏っていた。
炎を身に纏ったハヤブサはホルスの父を殺した仇であるセトへ物凄い勢いで突撃し、衝突した。
対してセトの方も魔術を使い魔力を宿した剣を顕現させた。その剣はかなり強大な邪気と妖気が満ちていて、見ているだけでもヤバさがビンビン伝わってくる。
「ズゥゥオォォォオォォ」
そして、ホルスが唱えた言霊の効果により、セトが今立っていた場所に太陽の炎が直撃した。
セトはホルスのはなった炎を直撃したが、しかし自らが顕現させた魔剣でホルスが顕現させた炎を纏ったハヤブサの化身を薙ぎはらった。しかも炎を直撃したにも関わらずセトは無傷でピンピンしていた。
「勝利の神の力もこの程度か!? アッッッハハハハハハ!」
セトは高らかと叫んだ。そして、その傲慢さによりさらに邪気が拡大する。
そして、セトは自らが持っていた魔法の杖を振り上げ
「死ねぇぇええっっ!」
と、絶叫する。そして、絶叫しながらホルスへ技を繰り出す。
セトが出した技はたちまち蛇の形となりホルスへと突進していった。
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