転生&転性でございます。

6/19
394人が本棚に入れています
本棚に追加
/144ページ
よし、思い立ったが吉日。善は急げ。あとはタイミングだが。 「くそっ、全員姫様を囲み結界を張れ!ブレスが来るぞ!」 突然響く、人間の声。発したのは騎士達のリーダー格だろう。 騎士達が姫を囲み、なにか半透明な膜を張る。 それに呼応するように、ドラゴンが首を上げ、大きく口を開いた。 「今だッッ!!!!」 地面を思い切り蹴り、そのままトップスピードでドラゴンへ向かう。 首を上げている、ということは浮いていない限り、足は地面に着いている。ならば、ドラゴンの背中を伝い首まで行けばいいだけだ。 ドラゴンの尻尾を踏み、背中を踏み、上がった首へと左手を伸ばす。 刺さった!よし!! 走った勢いで吹き飛びそうになるが、無理矢理身体を捻る。 右手をドラゴンの首に回し、 「お……おぉぉおおあああああああああああ!!!!!」 回転。回転回転回転。一周したら再び首に指を突き刺し、回転。 凄まじい勢いで回転し、その度に肉が抉れているのがわかる。 止めるな!そのままッッ!!!! 「あぁああぁあ!!!」 かなり抉ることが出来た。よし、後は……! 勢いを殺さぬまま首に跨り、引き戸を開ける時のように両手の指をドラゴンの首に突き刺し、思い切り両側に引き離す。 「おおぉラあッッッ!!!!」 結果、ドラゴンの首は我が跨っている部分から先が飛んで行った。 「ぜぇっ…はっ…終わった……のか。」 ドラゴンの身体は地に崩れ落ちた。む、少し衝撃がきた。 …………なくなっていて良かったかもしれん。 ふぅ。さて、騎士達はどうなった? 「………………………」 絶句した表情というのは、この表情のことを言うのだろう。 まだ何が起こったのか理解出来ていないようだ。 「そこの名も知らぬ騎士。無事か?」 「!?………あ、ああ。助太刀感謝する。」 「見たところ重傷者はいないようだな、良かった。」 安堵の息を吐く。少し、いや、かなり疲れた。 とりあえずは人の居る所を目指そう。この道を進んでいけば森は脱出できるだろう。多分。 「き、危険度SSSのエターナルドラゴンをこうも簡単に……貴女はなにm」 「その前に我の質問に答えろ。この道を真っ直ぐ進めば森を脱出できるか?」
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!