転生&転性でございます。

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クリーンヒット。妙な声を上げて、不審者は崩れ落ちた。 股間を押さえ、尻を突き上げている。随分と間抜けなポーズだ。 やりすぎた気がしないでもない。今は女の体だが、元は男だったのだ。股間を蹴られる痛みは分かる。 「潰れたか?」 「潰れるかと思ったわ!!!」 そう激昂する不審者。なんだ、まだまだ元気そうではないか。 「そうか、潰れていないのならいい。さすがに子供を作れない体にしたのでは後味が悪いのでな。」 「潰れててもその程度の反応かよ……」 「先に殴りかかってきたのは貴様の方だろう?我の行なったことは正当防衛だ。」 過剰防衛かもしれんがな。 「くそっ、割と本気で殴りかかったから否定できねぇ」 「ま、この話はもういい。で、質問だが、何故我を尾けていた?それとフードを取れ、人と話をする時は互いの目を見て話せ。それでは我の顔もろくに見えておらんだろう。」 「え、まって、なんでにじり寄ってくるの、ちょ、まt」 不審者が何か言っていたが、問答無用。無理やりフードを取った。 ふむ。これは 「また随分と整った顔をしているな。不審者。」 「あのー、その呼び方やめてくれませんか。」 銀色の髪に空色の目。 やはり地球ではないな、ここは。地球の人間がこんな髪色と目をしているわけがない。 「不審者に不審者と言って何が悪い?いや、もう顔は晒したから不審者ではないのか?」 うーむ。あ、あれだ。まだ我を尾けていた理由が解っていない。 「ふむ、おい不審者。」 「結局やめねえのかよ。」 「勝手に結論をつけるな。我を尾けていた理由を言え、そうすれば不審者と呼ぶのをやめてやる。」 「はぁ…わかった。全部話そう。と言っても、そう大した理由で尾けていたわけじゃないぞ?」 そして、不審者は話し始めた。 股間を押さえたまま。やはり間抜けなポーズだな。
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