三章

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 鼻血は鼻穴を詰めて横になるのだったか。冷やすのだったか。  つまらない怪我の治療法を考えてセルシオはランプを眺めた。  なにもない部屋だ。リシアの香りもしない。  セルシオはリシアを思う。無理矢理抱いたその日からリシアを離したくは無くなった。それは間違いない。  何れの女とは違う魅力がセルシオを射ぬいた。 「リシア……」  セルシオは名前を呼び続けた。
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