三章

26/26
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
「大丈夫よ。心配したわ」 「心配はこれからだ。此処から出よう」 「やだ。私は何時でも貴方と一緒よ」  ハーティの心境が揺らぐ。罪悪感から謝った。 「テトラ、僕は」 「浮気は私が死んでからにしてちょうだい」  テトラがハーティに口付ける。  ハーティはテトラの手を握っていた。 「そんな顔をしないで。心配しながら死ななくて良いなんて幸せなことよ?」 「テトラ、愛してる」 「私もよ。さ、行きましょう」  二人は、馬車に急いだ。  馬車では既に荷物を詰め込むリシアとネアの姿がある。馭者も既に馭者台に乗っていた。  ハーティとテトラが乗り込むと馬車は勢いよく走り出した。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!