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重々しい表紙絵に魅せられて読ませていただきましたが、成る程、これはランキング上位に恥じない作品だなと感動しました。
内容については他の方のレビューの通りなので、私が感じた事をそのまま書かせていただきます。
さらりとした美しい文面なのに、読み終えたら若干鬱っぽくなりそうな読後感がたまらない。
この世界観に酔いしれます。
終盤、汽車に乗っているシーンでマルクスが言った「本当は知っているよ」という言葉にドキリとさせられました。
直接的な文章は一切ありませんでしたが、マルクスとアルベルトの間には言葉に出来ない友情以上の繋がりがあるんだと知り、それがもどかしくて、切なくて…。
いつまでもこの二人が心の中に残ります。
表紙は冨士美ころねさんでしたか!
抽象画のイメージが強い冨士美さんですが、御自身のそのイメージを壊さずにここまでガツンと胸に重く響く絵を見ると、底知れない才能を感じます。
そして気付きました、表紙の右手中指に光るリング。これが小説で書かれていない本当の結末だったんですね。
答えが表紙にあったとは。これには鳥肌が立ちました!
良い意味で、続編は書いて欲しくない作品です。
ただ、ひとつ気になる点が。
最後の~fin~が~fly~になっていますが、そういう演出なのでしょうか?
「二人が飛び立っていく」みたいな意味を持たせたかったのかな…?と勝手に思ったりしてみましたが、この小説を書いた人の発想とは思えないので誤字として指摘しておきます。
もし狙って書いたものだとしたらごめんなさい。少しダサくて本編を台無しにしているような気もしますが、直さずにいてください。
後は本当に素晴らしい作品でした【★】
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