(続)エンスージアスト!

続き。

【先輩】本当にバトルで使う気なのかい?
【正明】はい。
【先輩】売るからにはどう使ってもらってもいいけど、
　　　　初心者にはお勧めしないなぁ。
　　　　とりあえず、慣れてから、
　　　　ジムカーナとかレースに参加する方がいいよ。
　　　　アリーナもいいけれど、場所が無いと練習できないからなぁ。
【正明】あ、練習場所はあるんです。
【先輩】へぇ。近くにそんなところがあるなんていいねぇ。
　　　　乗ってみるかい?ここじゃ立てないからシートに座るだけだけど。
【正明】はいっ

シートにまたがる正明。
キーを差込み、スイッチボタンを押す。
電源が入って小さなモニターに”BEREIT”の文字が浮かんだ。

【先輩】右のハンドルの下側のボタンを押すと、ゼロポジションに
　　　　なるんだけど・・・

ボタンを押す正明。
シートが持ち上がり、前のめりになり始める。

【正明】わぁっ
【先輩】ああ、やっちゃったか。まぁ最初はみんなそうなるねw

中ではシートから転がり込んで頭を打ち付けた正明。
笑い転げる弘。
手をついてシートに戻ろうとする正明。内壁は柔らかい。

【正明】結構ふかふかなんですね
【先輩】ショックを吸収するゲルシートに内張り貼ってあるからね。
　　　　もちろんエアバックもついてる。
　　　　体の位置をセンサーで感知して動くんだけど、体重移動も大切だよ。
【弘】 次、俺も乗るー!

68、軽トラック前
軽トラックの荷台いっぱいを使って乗せられたノーティフロッグ。
ロープが掛けられ、上半分だけブルーシートで覆われている。
結構背が高くなり、不安定そうに見える。

【先輩】いやぁ乗るもんだねぇ。
【正明】サスがいっぱいいっぱいですね。過積載でつかまりそうだなぁ。
【先輩】箱トラックかバン買った方がいいよ。これじゃ工具も詰めないから。
　　　　ボクのトランポは引き取り手が決まってるからなぁ。ゴメンね。
【正明】いえいえ、安くしてもらえましたし、そっちは何とかします。
【先輩】じゃあ、残りは来週の日曜日だね?
【正明】はい、すみませんが宜しくお願いします。
【先輩】気をつけて帰るんだよ。
　　　　慣れたら、ジムカーナのメンバーに紹介してあげるから。
【正明】はい、ありがとうございました。

正明と弘、先輩に頭を下げる。
2人、軽トラックに乗り込む。