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「やっばぁ~い! 遅刻しちゃう!」
慌ただしく家を出て行く人間を吾輩は静かに見送り、溜め息を一つ、吐き出した。
人間という生き物は、常に時間を軸に動き、日々暮らしているにも関わらず、全くそれを大切に扱わないものである。
そして、時の流れは残酷よね…なとどぬかしたかと思えば、次の日には、時が癒してくれる事もあるのよね…などと言っているのである。
その矛盾に満ちた思考、吾輩には到底理解できぬ。
吾輩の今日の寿命は、後十七時間。
ずっと壁に掛けられたままなので、かなり、楽な一日になるであろう。
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