第1章

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───すっと目が醒めた。 もう、夜の十一時を過ぎている。 人間は既に帰って来ていた。 テーブルの上には乱雑に散らばった空き缶が転がり、サラミソーセージやチーズやスナック菓子などが中途半端に減っていた。 人間はソファに寝そべり、ぶつぶつと何かを呟いている。 「あのお局…ババァのくせに」「私だって」なとど聞こえてくる。 恐らく仕事の愚痴を、酒とつまみと共に持って帰って来たのであろう。 このような人間は今まで飽きる程見てきた。 そして必ずどの人間にも共通点がある事を、吾輩は知っている。
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