第1章

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───後一分。 先程までソファに沈んでいた人間が、あぐらをかき電話機を耳に当てていた。 「もう~まじ、時間無いよぉ。そりゃ、やりたい事とかいっぱいあるけどさぁ…」 時間が無い…何を馬鹿な。 今まで散々時間を無駄に浪費し、捨ててきたであろうに。 ───後三十秒。 おや、何故吾輩はこの人間に対し”今まで散々”などと思ったのか… 吾輩は半日程しかこの人間を見てはいないというのに。 ───後十秒。 まぁよい。考えるだけ無駄である。 嗚呼、次も壁掛けの一日になると嬉しいのだが……
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