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大学からの帰り道、バスを降りていつものようにアパートまでの道をゆっくり歩いていると、
「痛っ……」
突然、すれ違った人に腕を掴まれた。
「……やっと……、……見つけた」
「え?」
その人を見ても、知っている顔じゃない。
明らかに初対面。
なのに『見つけた』ってなに?
意味がわからない。
「ちょっとごめん」
そう言いながら、その彼はあたしの眼鏡をとった。
「ちょっ、何するの!?」
それを取られたら、あたし何も見えないのにっ!
でもその彼はそんなあたしの顔を見て、
「やっぱりな」
と言って、満足そうに微笑んだ。
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