第1章 さまよえる鬼

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「クソ、あの糞坊主。覚えてやがれ…。今度会ったら返り討ちにしてやる…」 鬼は悪態をつきながらあてどなくふらふらとさまよい歩いていた。 その身体は、見るからにボロボロで厳しい戦いを潜り抜けてきたのだろうと類推できた。 彼はとある商人のバカ息子に取り憑いていたが偶然居合わせた旅の僧侶に見つかり祓われてしまったのだ。 幸い力はあったため、消滅はしなかったものの、大半の力を削り取られ法力で身体には大きなダメージを負った。 そしてそのまま大した抵抗もできず辺境とも呼べるこの地へ飛ばされたのだった。
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