春 夜

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   「あー……親がやってた工場  が倒産しちまってよ。お袋も  出て行って、なんつーか、家  庭崩壊ってやつ?」   藤先輩は呆れるほど軽い調  子で消えた理由を説明した。  「それは……大変でしたね」  「うん。まぁ……悪かったな。  連絡取れなくなっちまって」  「いいえ……」   数年ぶりの会話は、お互い  ぎこちないものだった――
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