不語ガール ―KATARAZU GIRL―

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 私が未来予知をできると知ったのはたしか六歳の頃だった。  夢見がちな少女時代だったから、その延長線とも考えた。  ただ、私が語ったことが必ず起こってしまうのだった。  ――もしかすると、私には不思議な力があるのかも。  愚かしいことに、この頃の私は気づいてなかった。  それが未来予知などというものではないことを。  私の言葉が未来になる。それは予知ではない。  未来予知ならぬ未来創造。私は神になった。  そのことを知らない私は「予知」をする。  私を愚かと呼ぶのであれば呼べばいい。  私はそれだけのことをしてしまった。  八歳の時、母と些細な口論をした。 「お母さんなんか死んじゃえ!」  だれでも言うような言葉だ。  でも私が言ってしまった。 「私」だからダメなのに。  翌日に、母は死んだ。  無残な死体だった。  そこで私は知る。  これは呪いだ。  私の言葉が。  母を殺す。  殺した。  母を。
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