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山の下には人間が住むという。それはとても気性が荒く、我々を見つけるとすぐさま小石のようなものを吐いて襲ってくる。我々はその攻撃手段を「テッポウ」と呼んでいる。
このような人間が跋扈する土地ではあるが、そこに生息する生物はみな美味いという。さながら食べられるために存在しているような味だそうだ。かつてその地に下りたことのある者は喜色満面でその味について語った。
なればこそ、よい機会かもしれぬ。
この日何も得られぬというのであれば、山の下へと旅立ってみよう。そこに生息する豚などを食い、その味を皆に自慢しよう。
などと考えていると、彼女が私の前で立ち止まった。どうした、と私は尋ねる。
「しっ。……ほら、あそこ見える?」
言われるがまま、その方を向く。すると一匹の人間がいた。鮮やかな色彩の表皮をしたそいつは、私たちには気づいていない。
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