第1章 魔王、喧嘩する

8/10
前へ
/89ページ
次へ
…あぁ、確かにな。 少し昔を思い出した。 アイツは信用できないヤツは周りに置かない。本性も出さない。故に周りから冷淡だと言われることが多い。しかし、実際は陽気で仲間思いなヤツ。 つまり、目の前にいるソイツの父親は信用できるようなヤツではなかったってこと。 … そんなことよりも、だ。 「お前の父親がどうであれ、俺には関係ない」 「な、なんだと!」 「失せろ」 「失せるのはお前だ!‘ファイヤーボール’!」 「………」 赤く燃えるそれは、俺に向かって投げられた。片眉を更に吊り上げ、軽くステップを踏んで後退する。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加