第2章 魔王、旧友と再会する

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敷地内に入って、もらった地図を確認しながらゆっくりと歩く。 それにしても。 「うぜぇ…」 周りの無遠慮な視線が痛い。 いや、別に注目されるのが嫌なわけではない。幼い頃は親父か母さんの後ろに隠れていたが、今となってはもう慣れた。 しかし、なんの理由もなく注目されるのは不愉快だ。ここでは、俺は何者でもなく、ただの1人の学生なのだから。 理由を探るべく、魔力で聴覚を強化する。 聞いてるうちに、同じような言葉が飛び込んでくる。「黒髪」、「魔法が使えない」、「呪われてる」、「落ちこぼれ」、「社会の底辺」などなど。 先程の喧嘩のときは分からなかったがつまりこういうわけだ。
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