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敷地内に入って、もらった地図を確認しながらゆっくりと歩く。
それにしても。
「うぜぇ…」
周りの無遠慮な視線が痛い。
いや、別に注目されるのが嫌なわけではない。幼い頃は親父か母さんの後ろに隠れていたが、今となってはもう慣れた。
しかし、なんの理由もなく注目されるのは不愉快だ。ここでは、俺は何者でもなく、ただの1人の学生なのだから。
理由を探るべく、魔力で聴覚を強化する。
聞いてるうちに、同じような言葉が飛び込んでくる。「黒髪」、「魔法が使えない」、「呪われてる」、「落ちこぼれ」、「社会の底辺」などなど。
先程の喧嘩のときは分からなかったがつまりこういうわけだ。
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