第2章 魔王、旧友と再会する

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すると、冷たく重い空気は消え、ヤツはにかっと笑う。 「久しぶりだな、魔王さんよ!」 シド・レイ・アル・ローズ・ドラグーン・オルブライト。 それが俺の名前。魔国【オルブライト】の王、通称魔王をしている。 「魔王って呼ぶな。副業が魔王ってだけで、今はただの学生だ」 「あれ、魔王って副業で出来るものか?」 「やれば出来る」 「…まあ、いっか。それにしても、お前は変わんねぇな。変わったとしたら背丈が伸びたことと顔立ちが大人っぽくなったことか?」 「エディも変わってねぇな。普通、人族は魔族を嫌うはずなのに、お前は俺らのテリトリーにズカズカと入ってくる…。変わったとしたら少し老けたことか?」 「ふ、老け…」 呆然としたソイツにふはっと笑う。
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