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陛下と言われたからには王であろうか。ピクリと反応した。
「お疲れ様でございます」
「…あぁ」
執事であるビシッとスーツを着こなした初老の男は、部屋の中心に目を向ける。
「…今日は何人でした…?」
「…むさ苦しい男が、5人」
執事は苦虫を潰したかのような顔をする。
_____なぜ、攻撃も何もしてないのに、陛下は狙われるのだろうか…。
原因は分かっている。分かっているのに、原因を潰すことが出来ない自分を忌々しく感じていた。
そんなことを相手が考えているなんて梅雨知らず、王は気怠げに仮面を外す。現れたのは恐ろしく整った少年の顔。肌は透き通るように白く、鼻筋がスッと通っている。
「それ、処理しておいてくれ」
「かしこまりました…」
少年はスタスタと部屋を出る。
向かった先は手入れの行き届いた庭だった。
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