Prolog

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少年は美しく咲いた花々には目もくれず、庭園の奥へと突き進む。イバラで出来たアーチをくぐり抜け、2つの墓石の前で止まる。 「………」 少年は何を言うことなく、じっとそれを見つめる。 おもむろに手をあげて、パチンと指を鳴らす。すると、何処か物寂しかった墓石に1輪の白いユリの花が現れた。そして、 「…ごめん_____」 墓石の主に対してか、先程殺した男たちに対してか。それは少年しか知らない。 不意に強い風が吹き、それが止む頃には少年は消えていた。 残ったのは白い1輪のユリのみだった。
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