第4章 魔王、一人暮らしをする

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毒々しい髪のくせに爽やかな男(フェレというらしい)の発案により、生徒手帳を使って寮を探す。どうやって探すかは知らんけど。 フェレは生徒手帳を顔の前まで持ってくる。そして、口を開いた。 「僕たちの寮を探してくれない?」 生徒手帳相手に話しかけてる!? 「少々お待ちください」 「喋りやがった!?」 ギョッとして一歩退く俺に不可解な視線が刺す。 「…知らないの?」 「…知らん」 どうやら生徒手帳は学校の敷地内や校則について、聞きたいことがあった話しかけると教えてくれるらしい。もちろん勉強等は一切教えてくれないが。 今日一番の驚きである。 「中学のとき、使わなかった?」 「…あー、あれだ、俺の家、貧乏、だから、行かなかった…」
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