かなえグラス

はじまり

次の日の夜遅くにあいつがやってきた。

「なあ、頼まれたてたグラス、いくつか選んでみたんだけどコレってのがなかなか決められなくってさ……」

そう言って、俺はパソコン画面をあいつに向けた。

「とりあえず候補のヤツを見てくれよ。コレか……コレなんてどうだ？」

あいつは〝お気に入り〟に入った俺の選んだ候補を順番に見ていった。

そしてあいつが、
香苗が選んだのは『かなえグラス』だった。