第二戦

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翌日。 目が覚めると、目の前に妹がいた。 妹の名前は瑠夏、小学三年生だ。 小三といえど、上に乗られてると重い。 「おい、のけよ」 「昨日、お兄ちゃんどこ行ってたの?」 「どこでもいいだろ」 「お友達と遊んでたの?」 「あぁ、そうだよ」 「ふーん」 それだけ言うと、部屋から出て行った。 携帯を確認するために、ベッドに仰向けの状態で、枕元にある棚を探る。 その時、あるものが当たった。 「これか……」 手に持っているのは、昨日使った腕時計だった。 昨日のことを思い出して吐きかける。 「くそっ……!」 ベッドから起きて、リビングに向かった。 「あら、かぁくん。おはよう」 「おはよう、母さん」 かぁくん、と呼ぶ理由は、陽炎と呼ぶのが嫌だから。 それなら断ればよかったものなのに。 今更言っても遅いけど。 「朝ごはん、どうする?」 「いらない……」 そう言うと、ソファに座った。 横には妹がいる。 せっせと宿題をしているようだが、今日は八月二十四日。 もうすぐで夏休みが終わるってのに、何してんだか。 そう思ってると振り向いて、 「お兄ちゃんは宿題ないの?」 「とっくに終わらせてるよ」 「はやっ!」 「お前が遅いんだよ!」 そう言うと、膨れながら宿題を続ける。 俺はふと思い出して、携帯を取りにいく。 「なんか、連絡きてっかな……」 スリープを解くと、画面には新着順に通知が並べられていた。 見ながらスクロールする。 「特になさそうだな」 そう言って、ロックを解除しようとする。 その時。 ピロリンっと通知の音がなった。 気になったが、そのままパスワードを入れて、ロック解除する。 「なんだったんだろ、今の」 とりあえず、画面を確認して、何が通知されたのかを見る。 すると、メールのところに①とあった。 嫌な予感がして、すぐ確認する。 でもそれは、鬼ごっこのものではなく、友達からきたものだった。 「ったく、びっくりさせんなよ……」 メールの内容は、遊べないか、みたいなことだった。 今日は別に用もないので大丈夫、と返信する。 リビングに行って、母さんに遊んでくることを伝えると、 「えー、いいなぁ。瑠夏も遊びたい!」 と言ったが、 「瑠夏はまだ宿題が終わってないでしょ!」 そう怒られてしまった。
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