第二戦

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俺は、部屋に行って着替えると、カバンを持って外に出た。 「えーと、待ち合わせ場所は……」 さっき、着替えてる時にメールが来ていた。 待ち合わせ場所はαデパートの前になっている。 「ここか……」 行くのが一瞬嫌になったが、友達だって知らずにやっていることなので、向かうことに。 そこには、二人が来ていた。 「よぉ、クロ。宿題どうだ?」 こいつは大山陸。 俺とは小学校からの幼馴染で、よく遊ぶ。 俺のことをクロと呼ぶ。 「もう終わってるよ」 「マジで!?はやっ!」 「お前が遅いんだって!」 「あはは、そうだな」 こいつも終わってないのか……。 それだったら誘うなよ、勉強しろよ。 と、聞こえない程度に愚痴る。 「普通は終わってるものよ」 「うっ、真弓」 「うっ、とはなによ……?」 「いえ、別に?!」 陸が怖がってるこいつは、諱真弓。 陸と同じで、小学校からの幼馴染。 諱(いみな)っていう、変わった名字してるのが特徴。 「んで、今日は何するんだよ」 「ふっふっふ。聞いて驚け!なんと、このデパートで事件があったんだ!」 「事件?」 思い当たることはあるが、とりあえず初耳かのように聞く。 「そう!今日の朝、スタッフが準備中に血痕を発見したんだ!」 その時、ジョークが言っていた言葉を思い出す。 ”死体につきましては、こちらで処分させていただきます” 「死体はなかったのか?」 「ん、なんで死体って分かるんだよ。死んだ人とは限らないだろ?」 「あ、あぁ、そうだな」 どうやら、血痕があっただけで死体は片付けられたらしい。 血痕を完全には消せなかったってことか。 「でも、それなら事件とも言えないんじゃない?」 真弓が聞く。 「血痕があっただけなら、スタッフが何かしたとか、客のものとかあり得るんじゃないの?」 「いや、昨日の時点ではなかったらしいから、従業員とかが帰った後に、なんかあったんだと思う」 おそらくそれは、昨日の鬼ごっこだ。 「それで、なんでお前がそんなこと知ってんだよ」 「噂に敏感なおばさんから聞いた。まぁ、そのおばさんはどっから聞いたのかは、知らんけどな」 ま、従業員が話してたのを聞いちまったってとこだろ。 そう思いながら、デパートを見る。 「あれ……?」 よく見ると、デパートの出入り口には、貼り紙がされていた。
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