第二戦

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「今回、デパート内で不審物が発見されたため、お休みさせていただきます、か」 おそらく血であろうそれを不審物にしていいのかは、よくわからなかったが、やっぱり休みにするみたいだな。 「デパートが休みなのは分かったな?」 「あぁ、だからなんだ?」 「乗り込むんだよ!この中に!」 「はぁ!?」 陸が言うには、今、店内は血痕があったということで大騒ぎらく、裏の戸が開けっ放しらしい。 不用心にも程があると思ったが、仕方ないのかとも思う。 まぁつまり、開いてるこの隙に入って調べよう。 ということらしい。 「無理だな。入ったら、すぐバレる」 「大丈夫だって。見つかった時は、興味があって入ってしまいましたって言えばいいんだよ!」 そんなうまくいくとは思えないけど……、と言った時、後ろから声がした。 「やぁ、おじさん」 その声、というか言い方にすごく思い当たる人物がいるが、そいつではないよう祈りながら振り向く。 「あぁ…………」 「なんでそんな顔してるの?そんなに嫌?」 「おじさんじゃないって言ったよな」 「そんなことまだ言ってるの?」 そんなこととはなんだ!と言おうとしたら、陸に止められ、この子は誰だ?と言われたので、名前だけ教えた。 流石に、会ったのが生死をかけた鬼ごっこだとは言えない。 「へぇ~、なんか大人っぽい子ね」 「上から目線はやめてくれるかな、おばさん」 その時、真弓の顔が引きつったのが分かった。 急いでなだめて、落ち着かせる。 「そうね、子供に怒っても仕方ないしね」 「おばさん、子供子供って言わないでよ」 今度は真弓の手が出かける。 また止めると、その拳はこっちに来た。 それは、俺の顔に直撃した。 「うっふ…………!」 「あ……」 その後、真弓に謝られながら、再び宮野秋雪に話しかける。 「なんでここにいるんだ?」 「買い物を頼まれたんだけど……閉まってるみたいだね」 「あぁ」 そして、小声で言う。 「昨日のことだろうな……」. 「だろうね……」 そのあと、閉まっていたことを伝えるため、家に帰っていった。 そして俺たちは、結局乗り込むことになった。 「本当に行くのか?」 「当たり前だ!何があるのか確かめないと!」 「だから、血痕なんだろ?」 「なんで血痕があるかだよ!」 そうして俺たちは、店に入っていった。
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