第二戦

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「なぁ、それはいつの話だ?」 「えーとですね、確か……十年くらい前かと」 俺の年齢を考えると、時期的にはピッタリ合う。 「そうか、分かった」 「よく分かりませんが、まぁ、頑張ってください。あ、それと遅刻はいけませんので、ご注意ください」 「あぁ……」 そう言うとジョークは再び歩き出し、廊下の向こう側へ言ってしまった。 「さて……と、どうするか」 今の話では、生き残った人がいるということだった。 つまり、これは決して無理ゲーでは無いってことだ。 俺はそう考え、いろんな場所を見てから、学校を後にした。 その時の時間は、午後二時。 遅めの昼飯を食べるために、ファストフード店に向かう。 その間に、母さんに今日も夜出てくる、という内容のことをメールで送った。 ファストフード店に着き、注文をした後、番号札を持って待ってる間に携帯の確認をした。 他にもメールが来てるかもしれないからだ。 「あ、母さんから来てる」 メールを開くと、遅くならないように、とあって前と同じく、ダメとはなかった。 「案外、いいものなのかな……」 でも、母さんも俺が何をやっているか知れば、きっと止める。 だけど、それは命取りになる。 バレないようにしないと。 そこまで考えた時、ちょうど用意が出来たらしく、番号札を呼ばれた。 取りに行き、適当な席に着く。 その時、隣の席からこれをかけられた。 「あの、黒谷さんですよね?」 そうかけられ、横を見ると、そこには草原志乃がいた。 「草原さん……」 「ちょっ、やめてください!さん付けなんて……。黒谷さんの方が年上なんですから、呼び捨てでいいです!なんなら志乃ちゃんでも構いません!」 それはちょっと、と遠慮する。 こんな時間に、草原も昼飯?と聞いてみる。 彼女が言うには、今まで部活だったらしく、ようやく食にありつけたらしい。 「もぅ腹ペコなんですよ~」 「まぁ、部活だったらね、お疲れ様」 「ありがとうございます~」 「何の部活に入ってんの?」 「陸上部です、長距離の」 「ヘぇー……」 と、そこから「それじゃ、鬼ごっこでも有利だよね」と言いかけたので止める。 もちろん、鬼ごっこと言ってもあれでは無いが、どう考えても今聞いたら、あれになるため、それはまずいと急いでジュースを飲んで落ち着く。
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