0人が本棚に入れています
本棚に追加
「わたしも出撃するんですか? 訓練でろくな結果も出せていないのに」
「うちには遊ばせておく戦力なんてないのよ。それにあなたにはそろそろ実戦が必要よ」
「そんな・・・」
訓練の結果がよく無ければ戦う必要は無いのではないかと思ったのは甘かったようだ。もしかしたらそんな考えを見透かされていたのかもしれないが。
「無理だと思うならあきらめる? お父さんとわたし達とで上にあやまりに行く?」
「いえ! 行けます! わたしは出来ます!」
「その息よ。頑張って」
「うう、不安だなあ」
アスナが不安に思っているとオリトが話しかけてきた。
「そう怖がることはないぜ。誰でも初めてというのは緊張するものだからな。それはどんな分野でもだ」
「はい、そう言えばわたしも初めてアルコールランプに火を付けた時は怖かったです」
「お・・・おう、まあ緊張するな。全部俺に任せとけ」
「よろしくお願いします」
アスナはディーンドライブに乗って所定の位置についた。通信でオリトに話しかける。
「あの、歩いていかないんですか?」
「歩く? ピクニックには良い天気だが、今日はここから発進していくんだ」
「発進ってまさか。うわああ!」
アスナが戸惑う間もなくディーンドライブは発射された。気が付くと空にいた。
それはシミュレーターでも苦手な場所だった。
オリトもトモコもそれは知っているはずのことだった。
「うわああ、空は駄目ええ!」
「目をつぶってろ、アスナ。俺がお姫様だっこで受け止めてやる」
オリトの軽い物言いにオルトロスが反論した。
「冗談言わないでよ、オリト。わたしの腕が傷つくわ。ルクス、姿勢を制御して上手く着地して。出来るわよね?」
「どうしますか? アスナ」
「上手く着地してええええ!」
「了解しました」
感じる衝撃。ルクスは上手く着地した。アスナが目を開けるとそこは前に戦った街の廃墟だった。
「ここは・・・」
「始まるぜ、アスナ。敵のおでましだ」
割れた空から敵が現れた。それはこの前のガリオンだった。まっすぐこちらに向かってくる。
最初のコメントを投稿しよう!