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「この前やられたのを怒っているようだな。だが、俺だって怒っているんだぜ。お前を逃がしてかっこ悪いところを見せてしまったんだからな。アスナ!」
「はい!」
「お前は手を出すな。今日は戦場に慣れることだけを考えるんだ。かっこいい俺の活躍を見てな!」
「分かりました!」
「よっしゃあ、やるかあ! 行くぜ、オルトロス!」
「今日は敵を逃がさないでよ」
「二度もそんなヘマをする俺じゃないぜ。とう!」
オリトのディーンドライブオルトロスは大空高くジャンプした。アスナは見上げ、ディーンドライブがこんなに高くジャンプ出来ることに驚いた。
オリトは空中に足場を作りさらに跳躍し、ガリオンよりも上に出た。
「いつまでも良い気になってるんじゃないぜ、ボーイ。落ちろ!」
オルトロスの踵落としがガリオンを地に叩き落とす。オルトロスは着地した。
「今度は決まったな。ここからは俺のステージだぜ!」
オリトは敵に向かっていく。ガリオンの攻撃をなんなくかわし、敵に攻撃を当てていく。
アスナは驚いてそれを見ている。
「凄い。同じディーンドライブなのにあんなに戦えるなんて」
「アスナ、わたし達は何かしないのですか?」
「無理よ。わたしにはあんな戦い出来ないし、見ていろって言われたじゃない」
「わたしの助けも必要無いのですか?」
「ううん、ルクスの助けは必要よ。きっと何も出来ないのはわたしだけよ・・・」
「アスナ・・・あれを見てください。子供がいます」
「子供?」
アスナはルクスが拡大したその映像を見た。逃げ遅れた子供がいた。
「どうしてこんな廃墟に子供が?」
「この場所に人は何人も訪れています。おそらくその中の一人でしょう」
「そうか・・・ルクス」
「何でしょう」
「わたしは自分だけがあの日のことを忘れられないでいると思っていた。でも、そうじゃ無かったんだね」
「あの日がいつを指すかは分かりませんが、アスナが覚えていることなら他の者が覚えていても不自然ではありません」
「そうだね・・・」
アスナはうつむきながらも操縦桿を握っていた。
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