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「凄いな、オリトさんは。わたしには何も出来なかった」
「いいえ、あなたはあの子供を助けました。あなただから出来た可能なことです」
「そうか、わたしにはそれが可能だったのか」
ガリオンから自分を助けてくれた母のことを思い出す。
「わたしもお母さんみたいになれるのかな・・・」
アスナは気を失った。その目尻からは涙がこぼれていた。
オリトは本部に連絡した。サイクスから人が来て初めて会った時のような光景が繰り返された。
ただ、アスナが気を失って、オリトが彼に似合わない苦渋の顔をしていたことだけが違っていた。
その光景を遠くから見ていた少年がいた。
「なんて無様な戦いだ。ルクス、やはりあれは僕が使わなければならない。奴らに任せていては遠からずこの辺りの街は滅ぶだろう」
少年は不吉な言葉を言い残し、その場所から姿を消した。
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