第1章

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 アスナは適当にレバーを動かした。ロボットは大振りのパンチを繰り出して倒れた。 「今のがガギーンとビュビューんですか? 辞書に登録します」 「登録しなくていいわよ! どうやって操縦するのよ」 「マニュアルを表示します」  何千ページもある物にアスナはうんざりした。横にスライドして表示を消して操縦桿を握り直す。 「歩き方を教えて。近づいて物理で殴れば何とかなるはずよ」 「足元のペダルを踏んでください」 「何だ簡単じゃないか」  アスナはペダルを一気に深く踏み込んだ。ロボットは猛ダッシュした。アスナはそのスピードにびっくりして目をつぶってしまった。 「きゃああ! 何いいい!?」 「アスナ、敵から遠ざかっています。向きを変更してください」 「そんなこと言われても。きゃあああ!」  アスナは衝撃に襲われた。ロボットは止まっていた。飛びかかってきたガリオンに倒されたのだった。 「やっぱり駄目だ。わたしは何をやっても・・・」 「アスナ、敵への接近に成功しました。物理で殴りますか?」  アスナは頭を抱え込んでしまった。ルクスの話を聞く余裕はもう無かった。ルクスはさらに話しかけてくる。 「アスナ、物理という武器は登録されていません。指示をください」 「いやああああ!」  ガリオンが倒れたアスナに向かって足を振り下ろしてくる。  その時、オリトのディーンドライブが来て、ガリオンを蹴り飛ばした。ガリオンは結構な距離を飛ばされて倒れた。 「はーい、いいとこ取りのオリト君でーす。大丈夫かい、新人君」 「あ・・・」  オリトはアスナに手を差し伸べてくれる。そんな彼にオリトのディーンドライブのAIオルトロスが注意した。 「オリト、敵が逃げるわよ」 「おおっと、そうはさせないぜ」  オリトは銃を撃つが、ガリオンはそれをひらりと避けて空に帰っていった。 「おい、今のって俺に華麗に撃ち落とされる場面だろ?」 「オリト、敵はあなたのために存在するんじゃないのよ。甘く見ないで」 「分かってるよ。今はそれよりも新人さんの救出だ。おーい、生きてるかー?」  オリトの呼びかけにアスナは我に返った。ずっと待っていた軍の人が救出に来てくれたのだと理解出来た。 「はい、生きてます。助けてくださってありがとうございます」 「うひょお、可愛い女の子ちゃんの声?。俺はオリトってんだ。よろしくな、後輩」 「よろ・・・しく? 後輩?」
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