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アスナは適当にレバーを動かした。ロボットは大振りのパンチを繰り出して倒れた。
「今のがガギーンとビュビューんですか? 辞書に登録します」
「登録しなくていいわよ! どうやって操縦するのよ」
「マニュアルを表示します」
何千ページもある物にアスナはうんざりした。横にスライドして表示を消して操縦桿を握り直す。
「歩き方を教えて。近づいて物理で殴れば何とかなるはずよ」
「足元のペダルを踏んでください」
「何だ簡単じゃないか」
アスナはペダルを一気に深く踏み込んだ。ロボットは猛ダッシュした。アスナはそのスピードにびっくりして目をつぶってしまった。
「きゃああ! 何いいい!?」
「アスナ、敵から遠ざかっています。向きを変更してください」
「そんなこと言われても。きゃあああ!」
アスナは衝撃に襲われた。ロボットは止まっていた。飛びかかってきたガリオンに倒されたのだった。
「やっぱり駄目だ。わたしは何をやっても・・・」
「アスナ、敵への接近に成功しました。物理で殴りますか?」
アスナは頭を抱え込んでしまった。ルクスの話を聞く余裕はもう無かった。ルクスはさらに話しかけてくる。
「アスナ、物理という武器は登録されていません。指示をください」
「いやああああ!」
ガリオンが倒れたアスナに向かって足を振り下ろしてくる。
その時、オリトのディーンドライブが来て、ガリオンを蹴り飛ばした。ガリオンは結構な距離を飛ばされて倒れた。
「はーい、いいとこ取りのオリト君でーす。大丈夫かい、新人君」
「あ・・・」
オリトはアスナに手を差し伸べてくれる。そんな彼にオリトのディーンドライブのAIオルトロスが注意した。
「オリト、敵が逃げるわよ」
「おおっと、そうはさせないぜ」
オリトは銃を撃つが、ガリオンはそれをひらりと避けて空に帰っていった。
「おい、今のって俺に華麗に撃ち落とされる場面だろ?」
「オリト、敵はあなたのために存在するんじゃないのよ。甘く見ないで」
「分かってるよ。今はそれよりも新人さんの救出だ。おーい、生きてるかー?」
オリトの呼びかけにアスナは我に返った。ずっと待っていた軍の人が救出に来てくれたのだと理解出来た。
「はい、生きてます。助けてくださってありがとうございます」
「うひょお、可愛い女の子ちゃんの声?。俺はオリトってんだ。よろしくな、後輩」
「よろ・・・しく? 後輩?」
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