第1章

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 本部に着いてアスナは軍の偉い人に今までのことを報告することになった。  どんな怖い場所に連れていかれるのかと不安だったけれど、普通のよくある建物のよくある会議室で、迎えてくれたのは普通の偉そうなおじさんだった。  アスナはなぜあそこにいたのか、なぜディーンドライブを動かすことになったのか、学校は楽しいかとか根ほり葉ほり聞かれた。  アスナは早く帰りたかったのでただ素直に答えていった。 「はい、学校は楽しいです。そう思います。明日も学校なので早く帰りたいんですけど」 「そうか。今日は遅くまで拘束して済まないね。ご家族も心配して待っていることだろう」 「はい」  別に心配して待っているとは思わないが、適当に返事をする。 「帰りの車を出そう。玄関で待っているといいよ」 「はい、ありがとうございます」  アスナは軍の人の車で送ってもらってやっと家に帰れた。  もう何も喋りたい気分では無かった。 「はあ、今日は疲れた。早くお風呂に入って寝よう」  だが、居間で待っていた父親がそれを許してくれなかった。アスナはびっくりした。 「父さん、今日は仕事で家にいないはずじゃ・・・」 「娘が大変な目に会っている時に仕事もないだろう。どういうつもりだ、アスナ。勝手に軍のディーンドライブを動かしてガリオンと戦ったと連絡があったんだぞ」 「そのままの意味よ。わたしはディーンドライブを使って敵と戦ったの。人に誇れる立派なことをしたのよ」 「馬鹿なことを言うんじゃない。お前のような素人が戦いなんて出来るはずがないだろう。みんなに迷惑をかけるだけだ。明日父さんと一緒にあやまりに行こう」 「わたしは何も悪いことなんてしていない! 父さんはもう黙ってて! わたしのことは放っておいて!」 「アスナ!」  アスナは部屋に戻ってベッドに飛び込んだ。 「みんな、わたしを分かってくれない。わたしのことはわたしが決める。他の誰にも指図なんてさせないわ」  そして、そのまま眠りについた。  朝、目が覚める。 「制服のまま寝てしまうなんて最低。またあいつの顔を見るのかしら」  また父に小言を言われるのかと思うとうんざりした気分だった。だが、父は今は家にいないようだった。 「もう仕事に行ったのかしら。わたしは助かるけど」  テレビを付けると昨日のことがニュースになっていてすぐに消した。
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