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「もう昨日のことはうんざりだ。気持ちを切り替えなくちゃ」
朝食を食べ終え、鞄を手に取る。
「よし、昨日のことは忘れて張り切って学校に行ってくるか」
学校のことはあまり好きではなかったが、昨日のごたごたに比べたらまだ楽園のような気分だった。
学校に着いて教室に入る。あまり仲が良いわけではない友達が話しかけてくる。
「おはよう、アスナ」
「おはよう」
「ねえ、昨日の噂聞いた? 軍の新型に乗ってた人ってこの学校の生徒なんだって」
「へえ、そうなんだ」
面倒事が嫌いなアスナは適当に返事をした。
「その生徒ってアスナに似てたって話なんだけど、心当たりある?」
「さあ? わたしってただの生徒だし。軍の偉い人のご子息とかじゃないの?」
「ご子息かあ。その線で探ってみるか」
「探るようなことじゃないと思うけど」
「はい、みんな席について。ホームルームを始めます」
担任の先生が来て、ホームルームが始まる。着席した生徒達を前にして、先生は話し始めた。
「今日はみんなに伝える大事な話があります。昨日ガリオンが襲ってきたことはもうみんなも知っていることでしょう」
当たり前の話だ。知らなかったらどこに住んでいるんだって話になる。アスナはもう昨日のことは思い出したくなかったので黙って窓の外を見ることにした。
外は平和だ。昨日のことが夢だったように思えてくる。
先生の話は続き、聞き捨てならない言葉が耳に飛び込んできてアスナは現実に戻された。
「と言うわけで、アスナちゃんはディーンドライブのパイロットとしてサイクスの仕事に参加することになりました」
「なんでだー!」
アスナは慌てて立ち上がった。みんなの注目が集まった。
「アスナが軍の偉い人のご子息・・・」
「違う! わたしはご子息なんかじゃない! 何でそんな話になってるんですか!」
「アスナちゃん、先生の話聞いてました?」
「き・・・聞いてました・・・けど?」
みんなの前で聞いていなかったと言える度胸はアスナには無かった。先生はにっこりと微笑んだ。
「なら分かりましたよね。学校と訓練の両立は大変だと思いますけど、みんなもアスナちゃんに協力してあげてください」
「「はい、先生!」」
「何だってこんなことに・・・」
アスナは頭を抱え込んでしまった。
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