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うんざりとした声を出しながらも、先生について行く彼。 どこへ行くんだろう…… 彼らは教室を出て、廊下を歩いて行く。 あたしは廊下側の窓から首を伸ばして、二人の姿を目で追った。 ……職員室かな? 「てか。先生が担任?」 「そうだ」 「えー。男? 勘弁してよ」 二人の姿と声が小さくなる。 「女の先生にお前は手におえん」 「ひでー」 左手にある階段を曲がろうとした時、彼、真瀬侑成の横顔が見えた。 彼はやっぱり笑っていた。 目を細めて、口角を上げて。 楽しそうに、クマ先生と笑い合っている。 あたしはなぜかその笑顔をずっと見ていた。
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