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*** 「いってきまーす」 玄関を開けると春の光が目に入る。 うらうらとした暖かい陽を浴びながら、駅へ向かって歩き出そうした時 「待って~」 背後からお母さんの声がした。 聞こえたのは声だけ。振り返るも姿は見えない。 パタパタとスリッパの音が近づいてきたから 「何~?」 玄関へ戻って、リビングに向かって声をかけると、片手に何かを持った母親が出てきた。 「忘れ物。はいっ」 「あ。ほんとだ」
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