第5章 名前のない女の復讐

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「愛しているわ」 簫は、資産家を翻弄するのに時間はかからなかった。 そのために体を差し出し、愛人としての位置を固めていく。 そして、簫の生まれた台湾の財界人を資産家に次々紹介していった。 「それでね・・・彼らもあなたに投資したいらしいのよ」 「ああ、構わんが・・・利子は高いのか」 「ううん・・0.5%」 「そんなに安いのか・・」 「でも額は大きいわよ。3000億」 「えっ、3000億って・・・でも利子は25億か・・・確かに安い」 資産家は、この金があれば、例の北海道の街のような支配地を さらに10ほど作れると計算していた。 すると、その地域の実権を握ることができる。 治世を握るという事は、その地区の開発も自由、その地区の商業権も自由 どんな産業を始めてもいい・・・さらに戸籍を握るから、過去も未来も 自由に書き換えることができる。 そう言う事だ。 もはや革命。 彼は、ホームレスを資産としてとらえていた。 しかも、選挙権のある資産。 結局は、金持ちは、成功すると名誉がほしくなる。 そのための地方自治体の一部を完全支配する・・それが彼のビジョンだ。 彼女は、段取りを話し始めた。 「海外から莫大な資金を貸し付けるのは、目立つから台湾の人たちは  いやがるのよ・・・秘密裏でやりたいって。  だからある会社を買ってほしいの・・・今の時価が2000億・・」 「ああ、すごいね」 「上場してるから問題ないわよ。  それに、会社は500億くらいの資産があるし、  そのお金は、何も使わないから、貴方の物のままよ。」 「それもそうだね」 「で、私たちは、そこの株を時間外取引で買う。5倍の5000億。」 「つまり会社に投資するという事で、金の移動をするわけだ」 「そう・・それだと、政府に目をつけられる可能性はないし  あなたは損しないでしょ。  それに口座にちゃんと入るか確認してから、あなたは株を売ればいい」 確かに、危険は少ない・・・・詐欺にあうパートが見えてこない。
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