第十話

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「は、隼人!?」 お姫様抱っこで部屋を移動され、 恥ずかしさで、ほんの少しだけ冷静さを取り戻す。 隼人は無言で、俺を自分の部屋へ連れて行くと、そのままベッドへ俺を下ろした。 「隼ーーーーん、ぅ……!」 すぐさま覆い被さって来た隼人が、少しの間も置かず、キスをして来る。 いきなり舌を絡められ、激しいキスの合間に、隼人は両手を繋ぎ指を絡ませると、 そのままベッドへ押し付けるように俺を拘束した。 「っん………っぅ………っ、……!」 唇を舐め、歯列を辿り、吸い上げられた舌までもが甘噛みされ、 何度も体がビクビクと跳ね上がる。 余裕のない貪るようなキスに、頭の芯が痺れて何も考えられなくなる。 「……っは…………ごめん、渉。我慢出来ない………。」 切羽詰まった隼人の声は、それだけで俺の体を震えさせた。 紅潮した頬が。 ギラギラと射抜くように見て来る、その艶やかな目が。 隼人のその、全てが。 俺を、求めてくれていた。 それが、嬉しくて。 泣きそうなほど、幸せで。 躊躇う必要が、どこにある? 俺は自分から、隼人へ再びキスをした。 「ーーーーーっ、渉………!」 まるで理性を失ったように。 隼人の瞳が、妖しく揺れた。
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