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「立ち直れない。」
隣で頭を抱え込む隼人に、思わず笑いがこぼれる。
あれからまた、一緒に寝た。
あんなに何度も体を重ねたのに、
そんな事実がなかったと思う程、また激しく体を重ねた。
隼人の理性が、飛んでしまっているのは分かっていたけど、
やっぱりちょっと………激し過ぎて、体がしんどい。
でも。
そんな疲労感すら、幸せだから。
「俺は、大丈夫だってば。」
小さくクスクスと笑いながら、隼人の背中を撫でる。
隼人はちらりと横目で俺を見て、また大きく息を吐いた。
「……ダメだろ。お前の体を気遣わなきゃいけないのに…マジで何やってんだ、俺。」
自己嫌悪に陥る隼人が、なんだか可愛く見える。
理性も効かなくなるぐらい、求めてくれたんだと思うと、
また涙腺が緩みそうになった。
「なぁ、隼人。俺お腹空いた。ご飯作ってくれてるんだろ?」
ゆっくりと体を起こし、ズキリと痛む腰を平然とした顔で堪える。
「食べようよ。」
立ち上がろうとした俺を、慌てて隼人が支える。
「分かった、分かったからーーーー、」
サッと掛け布団で、体を覆われて。
俺は一瞬、目を点にした。
「とりあえず、服着ろ。」
言いながら視線を外す隼人に、また笑いがこぼれた。
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