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「自己紹介忘れてたけど、俺は博人の友達の浅貝棗!よろしくね!」
この人とは、そもそもよろしくするつもりがない。
『どーも。よろしくします。』
適当に返事をする。
浅貝さんみたいな人は苦手だ。
少し、チャラチャラしてる感じ。
隣の駅に着き、また初田高校の生徒が乗ってくる。
すると、とても可愛い女の人が声をかけてきた。
「博人の後輩だよね!可愛い!棗!嫌がってるじゃん!やめなよ。」
いや、私可愛くないし!貴方のほうが何十倍も可愛いよと思った。
「あたし、博人の友達の菅原満里奈です!よろしくね!」
この人とは、よろしく出来そうだ。
にしても、菅原先輩はとても可愛い。女の私が本当に可愛いと思う程だから。
3人で楽しそうに話している。主に話しているのは、浅貝さんだけど。
だけと、私と居るときは案内人ふうにあまり笑わない。
というか、笑わない。
今度は、博人先輩と菅原先輩が話している。本当に楽しそうに……。
他人からみれば、2人が付き合っているようにもみえる。
そうだ。私、博人先輩が好きだから嫉妬してるんだ。
菅原先輩に。
なんだか、嫌になった。逃げたくなった。
学校の最寄り駅に着くと、直ぐに走って行ってしまった。
このあと嫌でも、部活で会うのに。
けど、私の頭の中に「走る」以外に選択肢は無かったんだ。
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