第1章

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「自己紹介忘れてたけど、俺は博人の友達の浅貝棗!よろしくね!」 この人とは、そもそもよろしくするつもりがない。 『どーも。よろしくします。』 適当に返事をする。 浅貝さんみたいな人は苦手だ。 少し、チャラチャラしてる感じ。 隣の駅に着き、また初田高校の生徒が乗ってくる。 すると、とても可愛い女の人が声をかけてきた。 「博人の後輩だよね!可愛い!棗!嫌がってるじゃん!やめなよ。」 いや、私可愛くないし!貴方のほうが何十倍も可愛いよと思った。 「あたし、博人の友達の菅原満里奈です!よろしくね!」 この人とは、よろしく出来そうだ。 にしても、菅原先輩はとても可愛い。女の私が本当に可愛いと思う程だから。 3人で楽しそうに話している。主に話しているのは、浅貝さんだけど。 だけと、私と居るときは案内人ふうにあまり笑わない。 というか、笑わない。 今度は、博人先輩と菅原先輩が話している。本当に楽しそうに……。 他人からみれば、2人が付き合っているようにもみえる。 そうだ。私、博人先輩が好きだから嫉妬してるんだ。 菅原先輩に。 なんだか、嫌になった。逃げたくなった。 学校の最寄り駅に着くと、直ぐに走って行ってしまった。 このあと嫌でも、部活で会うのに。 けど、私の頭の中に「走る」以外に選択肢は無かったんだ。
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