第1章

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「そこまで。練習始めるから今度にしいや。」 関西弁の背の高い男の人が言った。 「すみません。霧島部長。」 博人先輩が謝って、皆を待たせてしまっているということに気づいた。 『すみません。本当にすみません。』 「練習始めるで!各自アップしてや!」 そう霧島部長が言うと、皆がそれぞれのコースに入って泳ぎ始めた。 「行くぞ。」 博人先輩がそう言うと、私も泳ぎ始めた。 とても久しぶりに感じた。スイミングスクールで時々泳いでるから、最後に泳いでからそんなに時間が経っていないはずなのに……。 「そろそろ練習始めるで!1年は、各自でコース決めてな。ちなみに、5,6コースにうちの1軍が泳いどるわ。」 霧島部長がそう言うと1年生は、殆どが2,3コースに行った。 『先輩、私も3コースに行きますね。』 私がそう言うと先輩は、 「お前は5コースだ。3コースなんて行ったらシバくぞ。」 と言った。何故だか分からないけど、凄く嬉しかった。 先輩が私を認めてくれてる気がして……。
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