第1章

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5,6コースに入っている1年生は、とても少ない。 コースの中でも1番速い人が1番目に泳ぎその後は、5秒間隔で泳ぐ。 だから、私が1番後ろに並んでいると 「追い付いたら、先輩とか関係無く抜かせよ。」 先輩が言った。 『そんなに私過大評価しないでください!』 ハッキリ言ってとても驚いた。あの先輩が私のことをそんなに評価してくれているなんて。 本格的な練習が始まり、次々と泳いでいく。いよいよ私の番だ。 さっきまで泳いでいたアップとは違い、意識を集中させる。 気付くと100m泳ぎ終わっていた。 1番目に泳いでいた博人先輩の後ろになっていた。 「集中し過ぎ。それにお前、速いんだから最初から俺の後ろ泳げよ。」 博人先輩に言われて気付いたけど、私4人を抜かしたんだ。 「集中するのはいいけど、し過ぎたら回りが見えなくなるから気をつけろよ。」 と博人先輩に言われた。 『すみません。今度から気をつけます。』 けど、驚いた。中学の時は「気をつけろよ」なんて言われたことが無かったから。自意識過剰なのかもしれないけど、先輩が、私の事をこんなに見ていてくれているなんて。
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