第13章 生徒会の静かな涙 1/3

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  *  *  *  翌々日、本を片手に部室の窓際で涼んでいると、扉が開いた。  この教室の扉を開けるのは一人しかいない。 「今日はいるようね」 「何か監視されている気分だな」 「自意識過剰だわ」 「お前のせいだよ」  相変わらずな奴だ。  忙しい生徒会と暇な文芸部に所属している霧生は、週二日のペースで文芸部を訪ねてくる。  部室でやる事と言えば、本を読んだり書類をまとめたり、最近だと胡桃坂杏も連れて来るようになった。  ここは保育園じゃないぞ、と言ってやりたい。  目の前の空いている席が引かれる。
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