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『教員の方々にご連絡です。5時に緊急の会議を開きたいと思います。教員は至急、第一会議室にお集まり下さい。繰り返します――』
静かな教室に響き渡る校内放送、もうすぐ5時を越えるらしい。
早く探し出して帰りたいという一心で、気を引き締めて探し物に再度取り組む。
「中々、見つからねぇな。一体どこにあるんだ? あれは……あれ?」
少し待て、よく考えてみたら、俺は一体何を探してるんだ。終着点はどこだ?
早く帰りたいという一心で何も聞かずにその辺を探していたが、一体を何を見つけりゃいいんだ? というか、アイツも情報を共有しようよ。何、普通に捜索を再開しているの。
「おーい、少しいいか? えーと、霧生さん」
「何? もしかして見つけたと言うの? 嘘を吐いて逃げようと企んでも最後まで手伝って貰うわよ」
「見つけてはいない。ある意味探してもいない。今更な話だけど、その見つけるべき物が何なのか全く分からないから探しようが無いんだが、俺は何を探せばいいんだ。」
「とりあえず、探せばいいのよ。そうしたら見つかるわ。」
「だから、何を探せば……」
探し物の作業を中断して後ろを振り向いた霧生は、腕を組んで溜め息を少し漏らした。
「はぁ、……私の忘れ物は手の平ぐらいのメモ用紙。凄く重要な内容が書かれていてあまり中身を読んで欲しくないから、それらしき物を見つけたら私に教えて」
「メモ用紙ねぇ。何で探さないと見つからないような場所に忘れたのかな。……やっぱり、自称天才なんじゃねーの?」
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