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「なぅー!!!」
玄関を開けると、上司の愛息が俺に駆け寄る。
彼が呼ぶ俺への愛称は歓迎できたもんじゃないけど、
かつて好きだった人に良く似た小さな男の子に
体中で歓迎されるのは嬉しい。
あの頃の恋心はもうどこかに置いてきた。
彼女を見ても胸が痛むなんてことは無く、
今は冗談を飛ばしあい、酒を一緒に飲む良き仲間になった。
同じ釜の飯を食った仲間…と言うカテゴリーで
自分の中で整理することができるようになったのは、
鬼みたいに恐ろしい上司が、
あんまりにも奥さまを大事に思っているのが
わかるから…
俺はあんなに深く…思うことは出来ていなかった。
幸せにね…そう思いながら、彼女を諦めて…。
俺は新しい恋にまだ出会っていない。
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