第1章

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「なぅー!!!」 玄関を開けると、上司の愛息が俺に駆け寄る。 彼が呼ぶ俺への愛称は歓迎できたもんじゃないけど、 かつて好きだった人に良く似た小さな男の子に 体中で歓迎されるのは嬉しい。 あの頃の恋心はもうどこかに置いてきた。 彼女を見ても胸が痛むなんてことは無く、 今は冗談を飛ばしあい、酒を一緒に飲む良き仲間になった。 同じ釜の飯を食った仲間…と言うカテゴリーで 自分の中で整理することができるようになったのは、 鬼みたいに恐ろしい上司が、 あんまりにも奥さまを大事に思っているのが わかるから… 俺はあんなに深く…思うことは出来ていなかった。 幸せにね…そう思いながら、彼女を諦めて…。 俺は新しい恋にまだ出会っていない。
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