第1章

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「…………。」 泣き疲れたのか、話して安心したのか、柚隆は俺に抱かれたまま眠りについた。 そうか。今日の柚隆の行動。 あれは、家族を求めてたのか。 遊んでくれる、兄。 お風呂に一緒に入ってくれる、父。 ご飯を作ってくれる、母。 目尻に残る涙をそっと親指で拭って、抱き締める腕に力を込めた。 「…………柚隆。」 柚隆、柚隆柚隆。 「…………………っかやろー………。」 何で、もっと早く言ってこないんだ。 何で、頼ってこないんだ。 俺だって、俺だって出会ったときから柚隆しか見てないのに…………!! 前髪を上げて、額にそっと口づける。 柚隆は、起きない。 目が覚めたら、俺の気持ちを伝えよう。 早く、喜ばせたい。 でも、俺も意外に疲れてるのか、それともこの温もりが眠気を誘うのか。 柚隆を抱いたまま、自然と目を閉じた。
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