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引かれた体が今度は後ろに倒れ尻餅をつく。イラついている大翔の顔が見えた。
もう一度立ち上がろうとした時、ジャリッという音と共に
「無視してんじゃねぇっ!」
ブンっ……
大翔の拳が目の前をかすめていった。
迫力の無いパンチ……
予想していたパンチをよけ、まっすぐに大翔を見据える。
………………
二人の間に少しの沈黙が流れた。
が、瞬く間に他の連中に羽交い締めにされ、昴は身動きがとれなくなった。
「!!」
この状況に大翔がハッと我にかえり、ここぞとばかりに拳を降り下ろした。
「オラっ!」
“ごつん”と鈍い音が鳴り、昴は殴られた。
殴った大翔は、拳にジーンと痛みを感じつつ、どや顔で勝者の喜びを感じる
はず……なのだが、
……あ、あれ?
ただ冷静にそれを受け流すだけの昴に、大翔は戸惑う。
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