第1章 痛くない理由

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ちっとも、痛く……ない。  何故か殴られたはずの場所に痛みはなく、かわりにハテナマークが浮かぶ昴。 変だな?なんでやろ?  その間にも拳は頭、胸へと降ってくる。 やっぱり、痛くない。 ……!!  その中の一つが頬骨にあたったとき、昴はこのおかしな現象の理由がわかった気がした。 あぁ、なんや…… そういうことか……。 「痛い!」の言葉が出ない昴に、違和感と恐怖を感じる大翔。その恐怖を勘違いだとかきけすように殴り続ける。 「くそっ……どないなってんねん!」  焦る大翔を冷静な目で見据え、昴は心の中でつぶやく。 ……こいつの本気………………僕には通用せぇへんのんや…… だって……知ってる。もっと上の痛みを。
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