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何も反応を見せない昴に、皆が違和感を感じ始めた時……
キーンコーンカーンコーン……
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
「ちっ……もぅ終わりかよ。」
「良かったなぁ、その程度ですんで。」
いじめっ子達はおのおの言いたいことを言っていき。
「大翔!いかな遅れるで!」
「……おう。」
まちまちに、4年B組へと帰って行った。
昴の口の中は切れていて、頬も少し腫れている。
こんなこともう慣れっこだ……
と、自分が自分に冷めているような感覚がして、少し寂しい気持ちになった。
その気持ちを隠すように心に押し込め、口から流れる血をぬぐいプチトマトに水をあげる昴。
元気に育っているプチトマトを見て、不思議と暖かい気持ちになった。
一生懸命成長するトマトが、自分を励ましてくれているように見えたから。
プルプルと気持ち良さそうに水をはじくプチトマトは、光を反射してキラキラしていた。
それを見つめる昴の顔は、どこか悲しそうに優しい微笑みをたたえていた。
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