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「なにこれ、すっげーいい臭いするんやけど!」
やんちゃそうな大きい声を発し、つまみ食いしようとする一番末っ子の優也(ゆうや)の手を、昴はすかさず菜箸で叩く。
「いてっ!?」
優也はその小さな手を慌てて引っ込めるが、もうすでに菜箸パンチをくらっている。
「いてて……もぅ、手加減ってのを知らないんだから……。っていうか何で今日こんな早かったん?」
くりくりっとした目をこちらに向け、ストレートに質問する優也。
「う゛っ、それは……」
殴られて腫れた頬を見せまいと、くるりと背を向け作りかけのスープをかき混ぜる昴。
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