第2章 父親(おとん)の暴力

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「??」  なぜ答えてくれないのか気になり、優也は昴の顔を覗きこもうとする。が、次男の大和(やまと)がそれを静止する。頭の回転が良い大和は、何かに気がついた様子。 「また、なんかあったんやろ? 昴にぃ」  淡々と話す大和。 「…………」 「なぁ」  再度呼びかけるとそぉっと振り向き苦笑いを見せる昴。弟たちの心配そうな瞳と目が合う。  昴は苦笑いのまま「大丈夫やから!」そう言ってまた向き直り、スープの味見をする。  その背中は強がっていてもどこか寂しそうに見えた。
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