第2章 父親(おとん)の暴力

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 その言葉を聞いた昴はスッと優也の頭に手を置き言葉を返す。 「やり返せば、このいじめは無くなると思う?」  昴の質問に、優也は迷いなく頷く。  優也にとってそれが最善の方法だと思い口にしたのだから。その反応を見て、昴は言葉を続ける。 「確かにそれも一つの方法かもしれへん。……無視し続けるっていう方法もあるけど。まぁ俺も、優也と同じ短気者やからなぁ……やり返す方を取るかな」  その言葉に優也は身をのりだす「じゃあなおさら早いほうが「ただし! ただやり返すんじゃなくて“とことんやり返す”で」  優也の言葉をさえぎり意味ありげな言葉を言う。その顔はにやぁ~っと不気味に笑い、おとんとそっくりだった。 うわっ! おにぃ怖い……  ただならぬ雰囲気に飲まれ「あ、そう……なんや」優也はそう言葉を返す。  心の端のちょっと残る不安を落ち着かせ「おにぃは何か考えがあるんやな! じゃあ僕、なにも言わへんよ」そう言ってニパっと笑った。  その笑顔を見つめ申し訳なく心の中で呟く昴。 ごめんやで…… 本当は考えとかそんなのないんよ……
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